みなさん、こんにちは!
今日は、滋賀県の太陽光発電所で発生した大規模な銅線盗難事件と、山梨県のNPO法人が開発した安価で効果的な盗難防止装置について共有します。
滋賀県警高島署は2026年2月25日、滋賀県高島市の太陽光発電所で銅線約4,300メートル(時価約3,200万円)が盗まれたと発表しました。発電所内の機器と機器を結ぶケーブルが切断され、2月22日は通常通り発電していましたが、23日に発電しなかったため、24日午後に運営会社関係者が訪れて被害が判明しました。
一方、山梨県甲府市のNPO法人国際協力宮川道場と地元企業が、太陽光発電施設向けの安価で効果的な銅線盗難防止装置を開発し、お披露目会を開催しました。この装置は金属製の留め具が銅線が通る穴に引っ掛かり、約600kgの力に耐える強度を持ち、ケーブルを抜けなくする仕組みです。既存の施設に後付けが可能で、開発した法人は販売を検討しています。
滋賀県の大規模銅線盗難──3,200万円の被害と発電停止
滋賀県で発生した銅線盗難事件は、組織的・計画的な犯行の深刻さを示しています。
事件の概要
発表
- 滋賀県警高島署が2026年2月25日に発表
被害状況
- 滋賀県高島市安曇川町下古賀の太陽光発電所
- 銅線約4,300メートル(時価約3,200万円)が盗まれた
盗難の手口
- 銅線は発電所内の機器と機器を結ぶケーブル
- ケーブルが切断され、なくなっていた
2月22日までは通常通り発電していましたが、2月23日に発電が停止。これを受けて運営会社の関係者が2月24日午後に現地を確認したところ、銅線が切断されてなくなっていることが判明しました。窃盗事件として捜査しています。
この規模の盗難は、単発ではなく組織的・計画的な犯行であることを示しています。
「発電停止による気づき」が示す構造的課題
発見までのタイムラグ
- 2月22日:通常発電(盗難未発覚)
- 2月23日:発電せず(この時点では未確認)
- 2月24日午後:現地確認で被害判明
- 盗難から発見まで最低1日のタイムラグ
この構造が示しているのは、発電停止をきっかけにして初めて異常が発覚するケースが多いという点です。
そのため、盗難が発生してから被害が発覚するまでには一定のタイムラグが生じます。犯人は、この時間差を利用して犯行に及んでいる可能性があります。
遠隔監視の限界
- 遠隔監視システムがあっても「発電量ゼロ」と表示されるだけ
- 天候不良との区別がつかない場合もある
- 現地確認するまで盗難と判明しない
この「発見の遅れ」が、被害を拡大させる要因となっています。
事業への深刻な影響
直接的な被害
- 銅線の時価:約3,200万円
- これだけでも大きな損失
間接的な被害
- 発電停止による売電収入の途絶
- 復旧工事までの期間(数週間~数カ月)
- 復旧工事費用(銅線代+施工費)
保険の問題
- 保険の引き受け環境が改善しておらず、免責増加・値上げ・対象外拡大・不担保化が進行
- 「盗難されても保険でカバーできない」という二重のリスク
事業存続リスク
- 特に低圧案件では復旧コストが事業規模に対して重すぎる場合、廃止リスクも浮上
この複合的な被害が、銅線盗難の深刻さを物語っています。
山梨県NPO法人の盗難防止装置──「600kg耐久」の物理的対策
滋賀県の事件が示す深刻な被害に対し、山梨県では効果的な対策が開発されています。
盗難防止装置の開発
開発者
- NPO法人国際協力宮川道場(山梨県甲府市)
- 地域の防犯に取り組むNPO法人
- 太陽光パネルの管理などを行う甲府市の企業
- この連携により開発
お披露目会
- 安価で効果的な盗難防止装置のお披露目会を開催
- 販売を検討
この「NPO法人+地元企業」という組み合わせが、安価な装置開発を可能にしています。
装置の仕組みと性能
従来の問題
- 従来の仕組みであれば、カバーを切断してケーブルを引っ張れば抜けてしまう
新装置の仕組み
- 金属製の留め具が銅線が通る穴に引っ掛かり、抜けない仕組みになっている
- 留め具は約600kgの力に耐える強度を持つため犯行を困難にさせる
- 既存の施設に後付けが可能
この「600kg耐久」という数字が、実用性の鍵を握ります。
物理的対策の本質的価値
従来の対策との違い
- 従来の盗難対策
- 監視カメラ:犯行を記録
- 防犯砂利:侵入を検知
- フェンス強化:侵入を困難に
これらは「侵入を困難にする」「犯行を記録する」アプローチです。
新装置のアプローチ
- 「ケーブル自体を盗めなくする」という本質的な対策
- 犯人が侵入しても、ケーブルを抜けない
- 工具を使った破壊にも時間を要する
- 犯行の抑止力になる
600kgの意味
- 人力での引き抜きは不可能
- 工具を使っても時間がかかる
- 時間がかかれば犯行リスクが高まる
- 結果として犯行を諦めさせる
この「盗めなくする」という直接的なアプローチが、画期的です。
既設発電所への普及可能性──「後付け可能」が切り拓く市場
新装置の最大の特徴は、既存施設への後付けが可能という点です。
既設発電所の膨大な市場
現状
- 日本全国に稼働中の太陽光発電所が膨大に存在
- その多くが盗難リスクに晒されている
盗難の拡大傾向
- 盗難被害の中心は北関東圏
- 近年は低圧案件にも標的が広がる
- 小規模案件で復旧コストや保険不適用による廃止リスクも浮上
この状況下で、既設発電所への後付け可能な装置は、膨大な潜在需要を持ちます。
NPO法人開発の意味──安価な価格設定への期待
開発主体の特徴
- NPO法人が開発
- 「世の中のためになるのであれば」という姿勢
- 営利最優先ではない
期待される効果
- 安価な価格設定が期待される
- 低圧案件のような小規模発電所でも導入しやすい
低圧案件の課題
- 低圧案件は防犯設備が薄い
- 保険不適用・免責増により泣き寝入りが発生しやすい
- 安価で効果的な装置は救世主となる可能性
新装置の位置づけ
- コストパフォーマンスの高い物理的対策として低圧案件への標準装備になる可能性
この普及により、低圧案件の盗難リスクを大幅に軽減できます。
盗難リスクの連鎖性──「近隣での被害は連続する」
銅線盗難には、地域的な連鎖性があります。
地域的な集中
盗難の傾向
- 地方の分散エリアでは近隣で被害が起これば連続的に狙われる傾向
犯人の心理
- 一度成功した地域は「またやりやすい」と判断される
- 同じ手口で連続犯行
この連鎖性が、被害を拡大させます。
予防設計の重要性
事後対応の限界
- 被害に遭ってから対策してもすでに損失は発生している
- 復旧には時間とコストがかかる
事前に対策を講じておくことで、そもそもの被害を未然に防ぐことができ、結果として長期的には最もコストパフォーマンスの高い対応となります。
さらに、地域全体の発電所が同様の対策を実施すれば、犯人は対策が施されている発電所を避けるようになり、結果として地域全体の抑止力向上にもつながります。
この予防的アプローチが、今後ますます重要になります。
EPC事業者としての3つの戦略的対応
銅線盗難問題の継続と、効果的な盗難防止装置の登場は、EPC事業者に新たな対応を求めています。
既設発電所への盗難防止装置後付け提案の強化
この提案により、既設発電所の保守契約を深化させることができます。
滋賀県事例の活用
- 約3,200万円の盗難事例は、既設発電所のオーナーに対して盗難リスクの深刻さを
再認識させる材料
優先順位の設定
- 盗難リスクが高い発電所を優先的にリストアップ
費用対効果の訴求
- 装置の導入費用(おそらく数万円~数十万円)
- 盗難被害の規模(数百万円~数千万円)
- 圧倒的な費用対効果
ターゲット
- 既設発電所(特に低圧案件)
- 北関東圏・近畿圏など盗難多発地域
- 過去に盗難被害に遭った発電所の近隣
新設案件での盗難防止装置の標準装備化
この標準装備化により、新設案件での競争優位性を確立できます。
標準化の必要性
- 低圧でも最低限必要な防犯レベルを標準化する必要が出てきている
- 山梨県の装置は低コストで高効果な物理的対策
設計段階からの組み込み
- 設計段階から盗難防止装置を組み込んだ提案を標準化
- 保険が戻らない以上、自衛を前提とした計画が不可避
- この認識を顧客と共有
差別化要素
- 盗難対策を標準装備した設計
- 他社との差別化ポイント
- 顧客の安心感を高める
「発電停止アラート」による早期発見体制の構築
この早期発見体制により、保守事業の付加価値を高めることができます。
現状の課題
- 発電停止から気づくまでのタイムラグ
- この間に犯人は逃走、証拠も消える
早期発見の価値
- 盗難発生を早期に発見できれば犯人逃走前に警察へ通報
- 被害を最小限に抑える
- 場合によっては犯人検挙につながる
ターゲット
- 新設案件
- 既設発電所(保守契約のアップグレード)
- 盗難リスクが高い地域の発電所
滋賀県の太陽光発電所で銅線約4,300m・時価約3,200万円が盗まれ、発電停止により被害が判明しました。盗難から発見まで最低1日のタイムラグがあり、発電停止による売電収入の途絶、復旧工事費用、保険不適用リスクという複合的な被害が事業存続を脅かしています。
一方、山梨県のNPO法人国際協力宮川道場と地元企業が、約600kgの力に耐える留め具により、ケーブルを物理的に抜けなくする安価な盗難防止装置を開発し、既存施設への後付けが可能となりました。
従来の「侵入を困難にする」「犯行を記録する」対策ではなく、「ケーブル自体を盗めなくする」という本質的な物理的対策であり、人力での引き抜きを不可能にし、工具を使った破壊にも時間を要するため、犯行の抑止力となります。
NPO法人が開発したことから安価な価格設定が期待され、「低圧案件は防犯設備が薄い」「保険不適用・免責増により泣き寝入りが発生しやすい」という課題を抱える低圧案件にとって、コストパフォーマンスの高い物理的対策として標準装備になる可能性を持っています。
「保険が戻らない以上、自衛を前提とした計画が不可避」という認識のもと、予防設計の重要性を訴求し、長期的に最もコストパフォーマンスの高い対策を顧客に提供することが求められています。
