出典:駐車場向け垂直ソーラー発電システムとして、国内最大規模 ~ 豪雪地帯で「脱炭素先行地域」の鳥取市で、オンサイトPPA事業を開始 ~
みなさん、こんにちは!
今回は、豪雪地帯である鳥取市に国内最大規模(178.5kW)の「垂直ソーラー発電システム」が導入され、商業運転を開始したニュースを取り上げます。
従来、豪雪地帯では太陽光発電が「雪で発電しない」「パネル破損リスクが高い」などの課題を抱えていましたが、垂直設置×両面受光パネルによって、これらの問題を根本から解決できる可能性が見えています。
鳥取市は環境省の「脱炭素先行地域」に指定されており、今回の事例は“地域ぐるみの脱炭素モデル”として全国でも注目されています。
垂直ソーラーとは?豪雪地帯に最適化された太陽光システム
垂直設置で雪が積もらず発電ロスをゼロへ
従来の傾斜型パネルは雪が積もれば発電が止まり、除雪コストや落雪事故リスクもありました。
垂直ソーラーはパネルを完全に垂直設置するため、積雪が付着しないことが最大の利点です。
両面受光+反射光で屋根置き型と同等の発電量
地面や雪面からの反射光(アルベド効果)、空からの散乱光を両面で受光することで、発電量を確保。豪雪地域ほど反射率が高く、むしろ発電効率が向上するケースもあります。
駐車場活用で土地効率が大幅向上 ― 国内最大規模178.5kW
今回の案件は駐車場への設置で、発電設備と駐車スペースが共存する形態です。
地表2m以上の設置で防護フェンス不要
経産省令では地上2m以上の設備はフェンス不要となり、その分の用地を駐車場や通路として利用可能。土地の多目的利用が可能になります。
施設の25%の電力を自家消費、CO₂70t削減
- 年間発電量:約153,880kWh
- 電力消費量の25%を賄う
- 年間CO₂削減:約70t
オンサイトPPAなので初期費用ゼロで脱炭素と電力コスト削減を同時に実現しています。
脱炭素先行地域 × 技術の横展開という政策的価値
鳥取市は2023年に「脱炭素先行地域」に選定。
今回の事業は、自治体と企業が連携して“雪国モデル”を構築する取り組みの第一号です。
- 豪雪地帯
- 地域の脱炭素施策
- 自治体との連携協定
- 駐車場を含む公共・業務施設への横展開
という枠組みは、同じく環境省から先行地域に選ばれている自治体(例:会津若松市)にも応用可能で、政策的にも高い再現性があります。
雪国こそメリット大:今後広がる「垂直ソーラー市場」
垂直ソーラーの商用化は、雪国にとって大きな転機です。
豪雪地帯の“太陽光不向き説”の終わり
- 雪が積もらない
- 反射光でむしろ発電効率が上がる
- 土地の有効活用が可能
今回の178.5kWの事例は、駐車場を使った太陽光導入の新たなモデルケースとなり、今後設備導入を検討する企業からの問い合わせがくることが見込まれます。
雪国エリアでの“垂直ソーラー活用”が伸びる可能性
地域に根ざしたEPCにとって、今回の事例は大きなビジネスシグナルです。
駐車場を持つ事業者への提案がしやすい
国内最大規模の実例は説得力が強く、営業資料としても有効。
豪雪地帯の公共施設・学校・病院は高い相性
落雪事故リスクの回避、除雪不要という安全性は大きな魅力。
オンサイトPPAとの組み合わせが最適解
初期費用ゼロ+電力削減+脱炭素対応という三拍子が揃う。
脱炭素先行地域との連携により案件化が加速
鳥取市モデルを自治体と共有できれば、都市全体の脱炭素化プロジェクトに参入しやすくなります。
鳥取市で稼働した垂直ソーラーは、雪国の太陽光発電に新たな選択肢を示しました。
- 積雪による発電停止を回避
- 駐車場など土地の共用が可能
- 自治体と連携した脱炭素モデル
- 先行地域での横展開が容易
特に豪雪地帯や積雪地域の多い日本では、今後“垂直ソーラーが標準技術になる”可能性は十分にあります。
企業の電力コスト削減と脱炭素を同時に実現できる優れた選択肢として、今後さらに注目が高まる分野です。
