みなさん、こんにちは!
今日は、初期費用ゼロで太陽光発電を導入できる「オンサイトPPA」の認知度と導入意向について、国際航業が実施した調査結果を共有します。
オンサイトPPAの認知度は「内容まで理解している」が12.3%、「名前だけは知っている」が33.2%で、合計45.5%に留まり、54.5%が「今回初めて知った」と回答しました。しかし、内容を理解している層の67.6%が「良い印象」を持ち、導入意向は39.5%に達しています。
導入検討の条件で最も多かったのは「電気代が一定割合以上削減できる試算が示されること」66.4%で、「初期費用ゼロ」56.3%を上回りました。検討しない理由も「費用対効果が分からない」35.0%、「情報が少なく判断できない」29.3%と、いずれも情報不足に起因しています。
この結果は、市場の半分以上がまだリーチできていない伸びしろがある一方、導入障壁は技術や制度ではなく「情報提供の質と量」で解決可能であることを示しています。
認知度45.5%という「市場初期段階」の実態
国際航業が実施した調査は、オンサイトPPA市場がまだ初期段階にあることを明確に示しています。
調査の概要
対象
- 事業用の建物・施設を所有
- 太陽光・蓄電池システムおよびオンサイトPPAを未導入の企業
- エネルギー利用や設備投資の検討・意思決定に関わる経営者・役員および担当者
規模と期間
- 301名から有効回答
- 2026年1月6日~1月9日に実施
- インターネット調査
認知度の内訳
- 内容まで理解している:12.3%
- 名前だけは知っている:33.2%
- 今回初めて知った:54.5%
この結果が示す意味
- オンサイトPPAという言葉すら知らない企業が半数以上
- 内容まで理解している企業はわずか1割強
- 市場の半分以上がまだリーチできていない
この「認知度の低さ」は、裏を返せば市場の大きな伸びしろを意味しています。
しかし、内容理解層は高い関心
内容を理解している層に限定すると
- 67.6%が良い印象を持っている
- あまり良くない印象は27.0%
導入意向
- 前向きに検討したい:5.3%
- 条件次第で検討する:34.2%
この構造が示すこと
- 「知られていないだけ」で、知られれば一定割合が導入を検討する潜在需要が存在
- 認知度向上施策が直接的に市場拡大につながる
「電気代削減試算」が最大の訴求ポイント
調査結果で最も重要なのは、導入検討の条件として何が求められているかです。
導入検討の条件(上位5つ)
- 第1位:「電気代が一定割合以上削減できる試算が示されること」66.4%
- 第2位:「初期費用がゼロであること」56.3%
- 第3位:「故障時の保証・メンテナンスが十分であること」53.8%
- 第4位:「途中解約が可能であること」42.9%
- 第5位:「自社の施設に合わせた効果試算が提示されること」34.5%
この順位が示す重要な事実
- 「初期費用ゼロ」よりも「電気代削減試算」が上位
- 需要家が本当に知りたいのは「結局、いくら得するのか」という具体的な経済メリット
自社向け個別試算の重要性
- 「自社の施設に合わせた効果試算が提示されること」が34.5%
- 一般論ではなく、自社の電気使用パターン・屋根面積・日射条件を踏まえた
個別試算が求められている
この要求の背景
- 電気料金は企業ごとに使用パターンが異なる
- 「他社では○○円削減」という事例だけでは、自社での効果が判断できない
- 「あなたの会社では年間○○万円削減できます」という個別試算が決め手
「初期費用ゼロ」は前提条件
「初期費用ゼロ」が56.3%で第2位
- これは重要ではないということではなく、すでに前提条件として認識されている
- その上で、実際の削減額が知りたいという構造
オンサイトPPAの最大の特徴は「初期費用ゼロ」ですが、それだけでは不十分で、「で、いくら得するの?」という具体的な数字が必要なのです。
導入障壁は「情報不足」──技術や制度ではない
検討しない理由と不安要素を見ると、導入障壁の本質が明らかになります。
検討しない理由(上位5つ)
- 第1位:「費用対効果が分からないから」35.0%
- 第2位:「情報が少なく判断できないから」29.3%
- 第3位:「仕組みやメリットをよく理解してないから」22.8%
- 第4位:「途中解約ができない・しにくいから」20.3%
- 第5位:「設備が自社所有にならないから」17.9%
この結果が示す重要な構造
- 上位3つすべてが情報不足に起因する理由
- 「技術的に不安」「制度的に問題がある」という本質的な障壁ではない
- 情報提供の質と量で解決できる課題
不安要素(上位5つ)
- 第1位:「発電量の不確実性」51.3%
- 第2位:「途中解約の制限」50.4%
- 第3位:「故障・災害時の対応」49.6%
- 第4位:「契約内容の煩雑さ」35.3%
- 第5位:「契約期間の長さ」29.4%、「設備の所有権が自社にないこと」29.4%
不安要素の構造
- 「発電量の不確実性」:→ 発電量シミュレーションと保証で対応可能
- 「途中解約の制限」:→ 契約条件の明確化で対応可能
- 「故障・災害時の対応」:→ SLA(サービスレベル合意)と保険で対応可能
つまり、これらの不安要素も契約内容の明確化と丁寧な説明で軽減可能なものばかりです。
「分からない」から「検討しない」
この構造を整理すると
- オンサイトPPAを知らない(認知度45.5%)
- 知っていても、費用対効果が分からない(35.0%)
- 分からないから、情報が少ないと感じる(29.3%)
- 情報が少ないから、仕組みやメリットを理解できない(22.8%)
- 理解できないから、検討しない
この負のスパイラルを断ち切るのが、具体的な削減額を示す情報発信です。
国際航業の見解──明確なニーズの中での情報発信の重要性
国際航業は、調査結果を踏まえて以下のように分析しています。
電気代削減という明確なニーズ
背景
- 電気代高騰が続いている
- 企業の4割が利益圧迫を感じている(同調査)
- 電気代削減という明確なニーズが存在
しかし
- オンサイトPPAという解決策の認知度が低い
- 知っていても、具体的な効果が分からず判断できない
国際航業の結論
- 具体的な試算やメリットを分かりやすく伝える情報発信が、
オンサイトPPAの導入を後押しする
この見解は、調査結果が示す構造と完全に一致しています。
成熟前の市場での先行者利益
現在の状況
- 認知度45.5%という市場初期段階
- 内容理解層の39.5%が導入意向を示す潜在需要
- 市場が成熟して競争が激化する前の段階
この段階での機会
- 積極的な情報発信と啓蒙活動を行うことで、先行者利益を得られる
- まだ競合が少ない市場での認知度獲得
タイミング
- 今が仕掛けどき
- 市場が成熟してからでは、情報発信の効果が薄れる
この「市場初期段階」という認識が、戦略立案の前提となります。
EPC事業者としての4つの戦略的対応
今回の調査結果は、オンサイトPPA市場における営業戦略の方向性を明確に示しています。
具体的な削減額を示す提案資料の標準化
この体制整備により、検討条件の第1位である「電気代削減試算」を確実に提供できます。
最優先課題
- 「電気代が一定割合以上削減できる試算」が検討条件の66.4%
- 顧客ごとの個別試算を迅速に提示できる体制整備が最優先
必要なインプット情報
- 過去の電気使用量データ(月別、時間帯別)
- 屋根面積、向き、傾斜角
- 日射条件(地域、周辺建物の影響)
- 現在の電気料金単価
提示すべきアウトプット
- 「年間○○万円の削減見込み」
- 「○年で実質的な投資回収」
- 「現在の電気料金30円/kWh vs PPA契約20円/kWh」といった比較
標準化すべきツール
- 削減額シミュレーションツール
- 提案資料のテンプレート
- 導入効果レポートのサンプル
差別化ポイント
- 他社より早く、正確な個別試算を提示できる
- ヒアリングから提案までのリードタイムを短縮
- 「あなたの会社では○○円削減できます」という明確な数字
不安要素への先回り対応──
発電量保証・解約条件・災害対応の明示
この先回り対応により、不安要素の上位3つを効果的に軽減できます。
不安要素トップ3
- 「発電量の不確実性」51.3%
- 「途中解約の制限」50.4%
- 「故障・災害時の対応」49.6%
対応①:発電量保証
- 過去の日射データに基づく発電量シミュレーション
- ミニマム保証(例:シミュレーション値の90%を保証、下振れ時は補償)
- 実績データの定期報告
対応②:途中解約条件の明確化
- 「途中解約が可能であること」が検討条件の42.9%
- 契約書雛形の段階から、途中解約の条件と違約金を明示
- 例:「5年経過後は違約金なしで解約可能」など、柔軟な解約条件
対応③:故障・災害時対応のSLA
- 故障時の対応時間(例:24時間以内に現地対応)
- 災害保険の内容明示
- バックアップ体制の説明
同業他社・類似施設の導入実績の積極的開示
導入実績の開示により、「情報が少なく判断できない」という障壁を取り除けます。
検討条件
- 「同業他社や類似施設での導入実績が提示されること」23.5%
導入事例のセグメント別整理
- 製造業:「年間電気代○○万円削減」「CO2削減○○トン」
- 物流倉庫:「大規模屋根での発電実績」「BCP効果」
- 商業施設:「昼間ピーク対応」「環境配慮型店舗としてのPR効果」
提示すべき情報
- 業種、規模、電気使用パターンが類似した事例
- 「同業他社では年間○○万円削減」
- 「類似規模の施設で○○%の電気代削減」
アーリーアダプター効果
- 初期市場では、先行導入企業の成功事例が後続の導入を促す
- 導入実績の積極的な開示(守秘義務の範囲内で)
- 「○○社が導入」「業界大手の△△社も採用」という実績訴求
ケーススタディの作成
- 導入前の課題
- 提案内容
- 導入後の効果(定量的データ)
- 顧客の声(可能であれば)
啓蒙型セミナー・ウェビナーによる認知度向上
認知度向上施策により、市場の半分以上を占める「知らない層」にリーチできます。
市場の現状
- 認知度45.5%、54.5%が「今回初めて知った」
- まだ市場が初期段階
営業の前段階での啓蒙活動
- 「オンサイトPPAとは何か」の基礎解説
- 「どういう企業に向いているか」の判断基準
- 「実際の削減効果はどれくらいか」の具体例
ターゲット
- 電気代高騰で利益圧迫を感じている企業(調査では4割)
- 「電気代削減の選択肢としてのオンサイトPPA」という切り口
オンサイトPPAは、認知度45.5%、内容理解層に限れば導入意向39.5%という、まだ市場初期段階にありながら確実な潜在需要が存在する分野です。
導入障壁の本質は技術や制度ではなく、「費用対効果の不透明さ」「情報不足」という情報提供の質と量で解決可能な課題です。導入検討の条件で最も多かったのは「電気代が一定割合以上削減できる試算が示されること」66.4%であり、需要家は「初期費用ゼロ」という入口の情報よりも、「結局、いくら得するのか」という具体的な経済メリットを求めています。
国際航業が指摘するように、電気代削減という明確なニーズが存在する中で、具体的な試算やメリットを分かりやすく伝える情報発信が、オンサイトPPAの導入を後押しする時代です。市場が成熟して競争が激化する前の今が、積極的な情報発信と啓蒙活動により先行者利益を得られる絶好のタイミングとなっています。
