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今日は、東京電力の柏崎刈羽原発が福島事故後初めて再稼働したものの、稼働作業中にトラブルが発生し、中部電力浜岡原発では地震データ不正が発覚したニュースを共有します。

東京電力は柏崎刈羽原発6号機を約15年ぶりに再稼働させましたが、1月22日未明に制御棒を引き抜く作業中に警報がなり、作業を中断しました。制御棒の電子部品にトラブルがあるとみられています。

一方、中部電力では1月5日に浜岡原発の再稼働に向けた審査で地震想定データの不正が発覚し、原子力規制委員会が審査を「白紙」とする異例の事態に陥りました。

政府は2025年のエネルギー基本計画で「可能な限り原発依存度を低減する」との表現を削除し、原発の「最大限活用」に政策転換。2040年度の電源構成で原発を現在の2倍以上の2割程度とする目標を掲げています。

しかし、朝日新聞は社説で「事故が起きれば壊滅的な打撃を与えかねない原発に、日本の未来は託せない」と指摘。政府の推計でも2040年に新規設備を造った場合の発電コストは、原発より事業用太陽光発電の方が安い試算があります。

EPC事業者にとって、原発回帰の不確実性は太陽光の「コスト優位性」「純国産性」「地域分散型」という価値を再認識させる契機となります。

柏崎刈羽原発、再稼働直後にトラブルで作業中断

東京電力は柏崎刈羽原発6号機を約15年ぶりに再稼働させ、福島第一原発事故後初の東電による再稼働となりました。

しかし、1月22日未明に燃料の核分裂反応を抑える「制御棒」を引き抜く作業中に警報がなり、引き抜き作業を中断しました。

東電は制御棒の電子部品にトラブルがあるとみて、原因や今後への影響を調査しています。外部への放射能の影響はないとしていますが、現時点で発電プラントの状態は安定しているとしています。

東電は原子炉の起動中に起きた不具合について、深刻度を4段階で評価します。今回は原子炉の運転に直接の影響を及ぼさない機器の故障にあたり、深刻度としては上から3番目にあたります。

実は、再稼働の直前には制御棒の警報の設定ミスが発覚し、予定が延期された経緯があります。今回の警報は、再稼働後すぐに発生したものです。

さらに深刻なのが、中部電力浜岡原発(静岡県)で発覚したデータ不正です。

今月5日、浜岡原発の再稼働に向けた審査で地震想定データの不正が発覚しました。原子力規制委員会は、再稼働に必要な審査を「白紙」とする事態に陥りました。

朝日新聞の社説によれば、過去には日本原子力発電の原発でも活断層の評価に不正がありました。「巨費をかけた原発の維持を最優先し、不都合な事実を覆い隠す体質が払拭できたとは思えない」と指摘しています。

同社説は、東電に目を光らせる規制委が変質していないかとも問います。「浜岡の不正では他事業者への同様の問題の確認に及び腰で、古い原発活用への方針転換は反対する委員がいても異例の多数決で通した」として、福島事故の教訓である「推進と規制の分離」が揺らいでいる可能性を示唆しています。

政府の原発「最大限活用」への政策転換

こうしたトラブルや不正が相次ぐ中、政府はエネルギー政策を大きく転換しています。

政府は2025年のエネルギー基本計画で「可能な限り原発依存度を低減する」との表現を削除しました。この表現は2014年以降堅持してきたものでしたが、事故から15年を経て削除されました。

代わって、原発の「最大限活用」を掲げ、2040年度の電源構成で原発を現在の2倍以上の2割程度とする目標を設定しました。

政府は特に、首都圏への電力供給を担う柏崎刈羽の再稼働を重視し、他の原発とは異なる「特別扱い」で実現を後押ししてきました。事故を起こした東電が再び原発を動かすことに地元の不安が残る中、周辺自治体への財政支援の対象地域を拡大し、再稼働への理解に努めました。

実際、東電は新潟県に10年で1000億円の資金提供を表明しましたが、朝日新聞は「経営難から実質国有化された会社が、すべきことなのだろうか」と疑問を呈しています。

地元の不安と世論の変化

新潟県民の意識調査では再稼働の賛否が割れ、7割が東電の運転を懸念しました。福島事故から15年を経ても、安全文化への信頼が回復していないことを示しています。

一方で、事故から15年、世論調査では反対が多かった原発再稼働への賛否が逆転しました。主要政党は濃淡はあっても、原発回帰を容認する傾向にあります。

この世論の変化の背景には、電気料金の問題があります。原発の再稼働が進む西日本が電気料金が安く、家計に魅力的に映るためです。

朝日新聞が指摘する「再エネの優位性」

朝日新聞の社説は、原発回帰への疑問を明確に示し、再エネの優位性を強調しています。

政府の推計でも2040年に新規の設備を造った場合の発電コストは、原発より事業用太陽光発電の方が安い試算があります。

さらに、安全対策や廃炉の費用の上昇なども懸念されており、原発のコストは今後さらに上昇する可能性があります。

この10年ほど電力消費は低下傾向にあります。人工知能の普及で電力需要は増えるというが、技術革新で省電力化が進む可能性は十分期待できると指摘します。

脱炭素電源であり、政府も主力電源化を掲げる再生可能エネルギーこそ純国産資源として、拡大に最大限の努力をするべきだと主張します。

メガソーラーを規制しても、日本には再エネを大きく増やせる余地があるとし、屋根置き太陽光、洋上風力、地熱など多様な再エネポテンシャルの存在を示唆しています。

原発回帰の経済的合理性への疑問

柏崎刈羽原発の再稼働で年1000億円の収支改善を見込むとしていますが、朝日新聞は「巨額の廃炉や賠償費の捻出には焼け石に水」と指摘します。

東電は、組織全体で安全意識を徹底し、柏崎刈羽原発の安全を確保しながら、同時に福島第一原発の廃炉を進めなければなりません。その廃炉は、事故で溶け落ちた核燃料の取り出しなど難題が山積します。

限られた人材や経営資源の中で両立が迫られる中、原発に頼り、再び社会にリスクを負わせるのは本末転倒だとしています。

EPC事業者が活用すべき5つの戦略的論点

原発回帰の不確実性は、EPC事業者にとって太陽光の重要性を再認識させる契機となります。

01

「原発の不確実性」を前提とした提案強化

政府は2040年度に原発を2割程度とする目標を掲げていますが、柏崎刈羽のトラブル、浜岡のデータ不正、地元同意の難航など、この目標達成は極めて不確実です。
特に企業の経営層に対して、「政府目標が達成されない場合のリスクシナリオ」を提示することで、太陽光投資の必要性を説得力を持って示せます。

  • 「原発が予定通り再稼働しない場合、電力不足や価格高騰のリスクがある」ことを明示
  • 太陽光による自家消費・エネルギー自給率向上の重要性を訴求
  • BCP(事業継続計画)の観点から、原発依存のリスクを強調
02

コスト優位性の定量的提示

政府推計で2040年新規設備の発電コストが原発より事業用太陽光の方が安いという事実を、顧客への提案に活用すべきです。
特に企業の経営層に対して、「長期的なエネルギーコストは太陽光の方が安い」という定量的根拠を示すことで、投資判断を後押しできます。

  • 2040年新規設備の発電コスト比較(政府推計)
  • 原発の安全対策費や廃炉費用の上昇リスク
  • 太陽光の技術革新によるコスト低減トレンド
  • 長期的な電力コストのシミュレーション
03

「純国産エネルギー」としての価値訴求

エネルギー安全保障が政策課題となる中、太陽光の「純国産性」は重要な差別化要素です。
企業のBCP(事業継続計画)や自治体の地域エネルギー自給戦略において、「純国産エネルギーによる自立性確保」という価値を前面に出した提案が有効です。
特に、中国がレアアースなど重要鉱物を「武器化」している現状を踏まえれば、エネルギー自給率向上の戦略的重要性は一層高まっています。

  • 原発:ウランを100%輸入依存、核のゴミの最終処分が見通せない
  • 太陽光:輸入依存がなく、環境負荷も低い
04

世論の変化を捉えた地域密着型アプローチ

世論調査では原発再稼働への賛否が逆転し容認傾向にあるとされますが、新潟県民の7割が東電の運転を懸念している事実が示すように、地域レベルでは依然として不安が根強いのが現実です。
EPC事業者として、地域の支持を獲得することで、メガソーラー規制が強化される中でも、地域共生型の再エネ開発により市場を継続的に成長させられます。

  • 地域住民との対話を重視
  • 「原発のような大規模集中型ではなく、地域分散型のエネルギーシステム」という価値を提示
  • 地域の雇用創出、地域経済への貢献を強調
  • 災害時の地域レジリエンス向上
05

再エネポテンシャルの多様化提案

朝日新聞が指摘するように、「メガソーラーを規制しても、日本には再エネを大きく増やせる余地がある」という認識が重要です。
これらを組み合わせた提案により、メガソーラー規制が強化される中でも、分散型・地域共生型の再エネ開発により、市場は継続的に成長できます。

  • 屋根置き太陽光(中規模建築物の省エネ基準強化で需要拡大)
  • ソーラーカーポート
  • 営農型太陽光
  • 小水力
  • 地熱
  • 洋上風力

原発の不確実性が太陽光の戦略的価値を高める

柏崎刈羽原発の再稼働直後のトラブルと浜岡原発のデータ不正は、原発回帰政策の脆弱性を露呈しました。

政府は2040年度に原発を2割程度とする目標を掲げますが、地元同意の難航、審査の長期化、トラブルの頻発など、この目標達成は極めて不確実です。

一方、政府推計でも2040年新規設備の発電コストは原発より事業用太陽光の方が安く、再エネは純国産資源としてエネルギー安全保障にも貢献します。

EPC事業者にとって、原発の不確実性は太陽光の重要性を再認識させる契機であり、コスト優位性、純国産性、地域分散型というメリットを前面に出した提案が、今後の競争力の源泉となります。