
出典:PR TIMS
みなさん、こんにちは!
今日は、農業・観光・教育を融合した新しい営農型発電所「たまエンパワー生活クラブ前戸発電所(さがみこファーム)」の取り組みを取り上げたいと思います。
神奈川県相模原市に誕生したこの発電所は、単なる再エネ施設ではありません。
地域の人びとが関わり、学び、支える“共創型エネルギー拠点”として注目されています。
市民参加で実現した新しい再エネ拠点
生活クラブは、神奈川・東京・埼玉・千葉の各生協と協働し、クラウドファンディングによって600万円の資金を調達。
組合員約100名が参加する竣工式では、くす玉開きやはちみつの試食、ソーラーシェアリングの見学などを通して完成を祝いました。
このプロジェクトは、「再エネ事業を市民の力でつくる」新しい試みです。
生活クラブ神奈川では、500名以上の組合員から寄付が集まり、農地にはワイン用ブドウの植樹も行われました。
エネルギーと食を組み合わせた“FEC+W自給”(Food, Energy, Care, Work)の理念を、現実の地域づくりとして具現化しています。
ソーラーシェアリングを“学びと交流の場”に
たまエンパワーの山川代表は、竣工式で次のように語りました。
「ソーラーシェアリングは、地域との共生がポイントです。自分さえよければいい、という考え方はよくありません。」
ここで注目すべきは、営農型発電を地域に開かれたプラットフォーム化している点です。
- 農業 × 観光 × 教育の機能を持ち、地域住民や子どもたちが訪れる「学びと体験の場」としての役割
- ソーラー設備が単なる発電装置ではなく、地域ブランドの象徴としての存在価値を持ち始めている
- 市民が資金・運営・利用の3側面から関与することで、“再エネへの共感”を社会実装している
このように、ソーラーシェアリングは「エネルギーをつくる場所」から「地域を育む場」へと進化しつつあります。
地域内で循環する“食とエネルギーの共創経済”
発電した電力は、生活クラブ神奈川の配送センターで利用されるほか、「生活クラブでんき」を通じて組合員家庭にも供給されます。
地域の資金でつくり、地域で発電し、地域で消費する。
まさに地産地消型の再エネ経済モデルが具現化しています。
さらに、農業(Food)・再エネ(Energy)・福祉(Care)・雇用(Work)を一体で設計する“FEC+W自給”の実践が、地域SDGsの中核を担う動きとなっています。
EPC・再エネ事業者にとっての示唆
このプロジェクトが示すのは、EPCの新しい役割です。
従来のように設備を設計・建設するだけでなく、地域の共感と参加を生み出す「プロセスデザイン」が求められています。
- 営農型発電を地域の教育・観光・文化と結びつける構想力
- 設計段階から地域住民・地権者・自治体との協働を組み込む体制
- 地域資金・地域電力・地域ブランドを循環させるスキームづくり
これらを包括的に担えるEPCは、今後の再エネ業界で確実に存在感を高めるでしょう。
“共創のエネルギー”が地域を変える
太陽光発電は、もはや“設置する”ものではなく、“共に育てる”ものになりました。
相模原で始まったこのモデルは、「地域共生型ソーラーシェアリング」の成功例として、全国へ広がっていくはずです。
地域の人が資金を出し、足を運び、誇りを持てるエネルギー拠点。
それが、これからの持続可能なエネルギー社会の原型になるのではないでしょうか。