みなさん、こんにちは!
今日は、太陽光・蓄電池の「導入」から「最適運用」へとフェーズが移行する中で、オムロン フィールドエンジニアリングが展開する「Smart-EMS」による価値最大化の取り組みを共有します。
太陽光発電の導入は着実に進んできましたが、「発電した電力を使い切れない」「期待した節電効果が得られない」「ピーク電力対策が頭打ち」といった声が聞こえてきます。これは、太陽光発電が「導入すれば終わり」から「いかに使い切るか」というフェーズに移行していることを示しています。
特に重要なのは、蓄電池は「導入するだけでは十分な価値を生まない」という指摘です。発電量、需要、価格、非常時対応といった複雑な条件を踏まえ、「効率よく使い切れるか」が成否を分けるという認識が広がっています。
オムロン フィールドエンジニアリング(OFE)は、自社開発の「Smart-EMS」を核に、オンサイト(工場・倉庫)とオフサイト(FIP転換発電所)双方で大型蓄電池の価値を最大化するソリューションを展開。全国140拠点・約1,200人体制で、太陽光施工実績累計150MW、大型蓄電池導入実績累計30MWhという豊富な実績を持ちます。
「導入」から「最適運用」へのフェーズ転換
太陽光発電市場は、明確なフェーズ転換の時期を迎えています。
現場から聞こえる「導入後の課題」
太陽光発電の導入はこれまで着実に進んできましたが、導入が進むにつれて、運用や活用に関する新たな課題が顕在化してきています。
よく聞かれる声
- 「発電した電力を使い切れない」
- 「期待した節電効果が得られない」
- 「ピーク電力対策が頭打ち」
- 「BCP対策として十分でない」
この状況は、太陽光発電が「導入すれば終わり」という段階から、「いかに電力を使い切るか」を重視するフェーズへと移行していることを示しています。
蓄電池の「価値を生まない」リスク
こうした状況の中で注目されているのが、大型蓄電池を活用したエネルギーの有効活用です。しかし、重要な点として、蓄電池は導入するだけでは十分な価値を生み出すことはできません。
成否を分ける要素
- 発電量、需要、価格、非常時対応といった複雑な条件を踏まえ、
いかに”効率よく使い切れるか”が成否を分ける
この認識の転換は、EPC事業者にとって極めて重要です。
OFEの位置づけ
企業概要
- オムロン フィールドエンジニアリング(OFE)
- オムロングループにおいて長年、社会インフラや産業設備の保守・メンテナンスを担当
- 全国140拠点に、約1,200人のカスタマエンジニアを擁する課題解決のスペシャリスト
エネルギー事業
- 診断から設計・調達・施工、運用、保守までワンストップで提供
実績
- 太陽光発電設備の施工実績:累計約150MW(工場や物流倉庫を中心)
- 大型蓄電池の導入実績:累計約30MWh
この豊富な実績が、エネルギー価値を引き出す制御・運用の基盤となっています。
Smart-EMSの機能──「最適制御」と「複数運用モード」
OFEが開発した「Smart-EMS」は、単なる監視システムではありません。
Smart-EMSの基本構成
位置づけ
- 単なるエネルギーの見える化や監視システムではない
- 創エネ・蓄エネ・省エネを一体で制御
- 大型蓄電池の運用により最大の経済効果を得るためのプラットフォームとして機能
システム構成
- 現地にローカルEMSを設置
- インターネットでSmart-EMSクラウドと接続
- 需要家はPCやスマートフォンで簡単な設定を行うだけ
- 難しい制御はクラウド側(OFE)で確実に行う
この「クラウド側での高度な制御」という設計が、利用者の負担を大幅に軽減します。
最適制御の仕組み
予測に基づく制御
- 独自の需要予測・発電予測により蓄電池の充放電を最適に制御
- 複数のパワーコンディショナーの指令塔ともなる
実現する効果
- ピーク電力の抑制
- 自家消費率の向上
- 太陽光発電の余剰活用で電気代削減
- 停電時のBCPに備える
- 余力を活かして容量市場等で取り引きを行い、インセンティブを獲得
複数の運用モード
通常モード
- PVの余剰電力を充電し備える
BCPモード
- 特定負荷に給電
- 太陽光発電も連携させ長期間の給電が可能
省エネモード
- ピークカット運転を実施しながらBCP容量も確保
このように、用途に応じた柔軟な運用が可能です。
BCP時の重要な機能
停電時の課題
- 太陽光発電と蓄電池だけでは、停電時に安定した電力供給を維持することは難しい
- 複数のパワーコンディショナーが自立運転に入ると周波数がそろわず、
電力を合流できないケースもある
Smart-EMSの解決策
- 蓄電池を核として、構内グリッドの周波数基準を合わせる
- これにより、はじめて太陽光と連携した安定運用が可能になる
この「周波数基準の維持」という機能は、BCP対策において決定的に重要です。
オンサイト活用──工場・倉庫の「太陽光+蓄電池」最適制御
Smart-EMSの第一の活用シナリオは、オンサイトでの最適制御です。
投資回収の課題と解決
従来の課題
- 太陽光は投資回収の目途を立てやすい
- しかし、蓄電池は単体では回収が難しいケースも多い
Smart-EMSの解決策
- 太陽光と蓄電池をセットで導入
- Smart-EMSで最適制御を図ることで経済価値を最大化
- 全体として、投資回収期間の大幅短縮が可能
この「セット導入+最適制御」というアプローチが、蓄電池導入の経済障壁を下げます。
実際の導入事例──オムロン綾部事業所
太陽光パネル
- 2,060kW(うちカーポート型600kW)
大型蓄電池
- 出力500kW
- 容量2,400kWh
Smart-EMSの役割
- 工場稼働データからの需要予測
- 天気予報からの発電予測
- これらをもとに蓄電池の最適制御を実施
実現している価値
- 電気代削減
- 再エネ率向上
- 様々な課題解決
この自社導入事例が、技術の信頼性を証明しています。
複合的な価値の実現
経済効果
- 電気代削減
- ピーク電力抑制
- 自家消費率向上
BCP効果
- 停電時の電力供給
- 太陽光との連携による長期間給電
市場参加
- 容量市場での取引
- インセンティブ獲得
これらの価値を同時に実現できることが、Smart-EMSの強みです。
オフサイト活用──「FIP転換+蓄電池」のアグリゲーター支援
Smart-EMSの第二の活用シナリオは、FIP転換発電所の支援です。
FIP転換の課題
FITからFIPへの移行
- FITからFIPへの移行が進む中、
発電事業者にとって卸電力市場での売電が大きな負担となっている
専門性の高さ
- FIP転換に伴う運用は専門性が高い
- 計画値同時同量管理
- JEPX電力販売
- インバランスリスク対応
これらは、中小規模の発電事業者にとってハードルが高い業務です。
OFEのアグリゲーター支援
提供サービス
- 太陽光発電所に蓄電池を設置するEPC
- Smart-EMSを用いたアグリゲーターとして売電の実務など、
導入後の運用からメンテナンスまでトータルにサポート
アグリゲーター業務の内容
- FIP運用に係る業務(計画値同時同量管理、JEPXへの電力販売、インバランスリスク)
- FIP収益を最大化する蓄電池の充放電制御
- 蓄電池保守業務(監視、定期メンテナンス、異常時の駆けつけ)
発電事業者のメリット
- 同社がアグリゲーターとして市場対応を担うことで、
発電事業者は複雑な業務から解放される
オンサイトからオフサイトへの横展開
ノウハウの活用
- オンサイトで培った大型蓄電池の運用ノウハウがオフサイトでも活かされている
これは「運用技術の横展開」という戦略的な強みです。
FIP収益最大化の制御
アービトラージの自動化
- 日中の余剰電力や価格下落時に充電
- 夕方以降の価格高騰時に放電
- このアービトラージを自動化・最適化
FIP転換後の収益安定化
- 市場価格変動リスクを蓄電池でヘッジ
- インバランスペナルティを削減
- FIP転換後の収益安定化に不可欠
この「収益最大化制御」が、FIP転換の経済性を大きく改善します。
EPC事業者としての4つの戦略的対応
OFEの取り組みは、EPC事業者が今後注力すべき方向性を明確に示しています。
「設備提案」から「運用込み提案」への転換
転換により、付加価値の高いビジネスモデルを構築できます。
従来のEPC事業
- 「設備を設計・施工して引き渡す」ことが中心
- 設備の性能・価格が主な訴求ポイント
新しいフェーズ
- 「設備の価値を最大化する運用まで含めた提案」が求められる
- 運用による経済効果が重要な差別化要素
具体的な対応
- 太陽光+蓄電池の導入時に、EMSによる最適制御を標準で組み込む提案体制を構築
- OFEのSmart-EMSや類似のEMSソリューションとの連携体制を整備
差別化要素
- 単なる「設備屋」ではなく「エネルギー価値最大化のパートナー」としてのポジショニング
FIP転換顧客へのアグリゲーター紹介・連携
連携により、FIP転換という新市場を開拓できます。
FIP転換の課題
- 計画値同時同量管理、JEPX電力販売、インバランスリスク対応など、
中小規模の発電事業者にとってハードルが高い
アグリゲーターの価値
- OFEのようなアグリゲーターがこれらの業務を代行
- 発電事業者は複雑な業務から解放される
- FIP転換を促進する重要な要素
EPC事業者の役割
- FIP転換を検討する既存顧客に対し、信頼できるアグリゲーター(OFEなど)との連携を提案
- 「FIP転換+蓄電池併設+アグリゲーター運用」をワンパッケージで提供
連携体制の構築
- 複数のアグリゲーターと関係を構築
- 顧客の規模・ニーズに応じた最適なパートナー紹介
- EPC+アグリゲーターの協業モデル確立
BCP対策を含めた複合的な価値訴求
複合的な価値訴求により、導入の意思決定を加速できます。
経済効果だけでない価値
- Smart-EMSは、電気代削減・ピークカット・自家消費率向上に加え、
停電時のBCP対策も実現
停電時の重要機能
- 蓄電池が構内グリッドの周波数基準を維持
- 太陽光と連携した安定運用を可能にする
- 単なるバックアップ電源ではなく、長期間の自立運転が可能
ターゲット
- 製造業:停電による生産停止リスクが大きい
- 物流倉庫:24時間稼働が求められる
- データセンター:無停電が絶対条件
差別化
- 単なるコスト削減提案ではなく経営リスク管理としての提案
- CFO(コスト)とCRO(リスク)両方に訴求
ベンダーフリーの機器選定ノウハウの蓄積
柔軟な調達体制により、外部環境変化への対応力を高めることができます。
OFEの方針
- 「特定メーカーに縛られないベンダーフリーの機器選定」を強みとしている
- PVシステムや蓄電池はトレンド変化が激しいため
ベンダーフリーのメリット
- 既存設備との相性、価格・性能・国産志向など、顧客の要望に応じた提案が可能
具体的な対応
- 複数メーカーの製品評価体制を構築
- 性能・価格・納期・サポート体制を比較
- 顧客要望に応じた最適な機器選定
太陽光発電は、「導入」から「最適運用」へとフェーズが移行しています。
蓄電池は「導入するだけでは十分な価値を生まない」という認識のもと、EMSによる最適制御が設備の価値を最大化する鍵となっています。
オムロン フィールドエンジニアリングのSmart-EMSは、オンサイト(工場・倉庫)とオフサイト(FIP転換発電所)の両方で運用ノウハウを横展開し、電気代削減・BCP対策・容量市場取引・FIP収益最大化を実現しています。
全国140拠点・約1,200人体制という現場力と、太陽光施工実績累計150MW、大型蓄電池導入実績累計30MWhという豊富な実績が、「課題起点でソリューションを提案する」という姿勢を支えています。
従来のEPC事業者は「設備を設計・施工して引き渡す」ことが主な役割でしたが、今後は「設備の価値を最大化する運用まで含めた提案」が求められる時代に入っています。
