地域による地域のための再エネへ。
PPAモデル契約書 全6種を無償公開
~AiNERGYと再エネ応援弁護団RESuLTが共同作成~

PUBLISHING THE TEMPLATE

福島・会津を拠点に多数の再生可能エネルギー事業を手掛ける AiNERGY株式会社 と、地域密着型の再生可能エネルギー事業を法的に支援している弁護士のグループ RESuLT(リザルト/再エネ応援弁護団) は、PPA太陽光発電事業の導入促進に向け、標準的なPPAモデル契約書 全6種を共同で作成し、無償公開いたします。

日増しに悪化する地球温暖化・気候変動への対策として、再生可能エネルギー(再エネ)を促進することは必要不可欠です。気候変動対策に貢献するため、再エネによる電力の供給を受けようとする自治体や企業等(以下「需要家」)が増えています。他方で、地域の再エネ資源を活用する発電事業も広がっています。この両者を結びつけるのがPPA契約です。こうしたタイプの事業が広がることは、地域による地域のための再生可能エネルギー事業を実現するうえで非常に重要です。

しかし、PPA事業の契約は対処すべき事項が多く、契約の形態も複雑です。加えて、発電側賦課金の導入をはじめ制度環境も変化を続けています。地域密着型のPPA事業を拡大するためには、こうした事業と最新の制度環境を念頭に置いた標準的な契約書の普及が不可欠、という考えから、AiNERGYとRESuLTが共同で本モデル契約書を作成しました。

作成にあたっては、シンプルでありながらも、必要と思われる条項を盛り込むことを目指しました。このため、枝葉の部分はできる限り削ぎ落しています。

同時に、発電事業者と需要家の実情に即しつつ、両者の間でリスクをできる限り公平に分配することも心掛けました。

個々のケースの事情に合わせてアレンジを加えられるよう、改変がしやすいデータの形式(Word)で公開しています。

背景

中小の事業者や自治体が直面するPPA事業の課題

社会における脱炭素化の流れと電気料金の高騰を背景に、PPA型太陽光発電に注目が集まっています。その一方で、特に中小の事業者(発電事業者・需要家)や自治体では、以下のような課題に直面しています。

法的リスクへの対応

  • PPA事業は長期間の契約であり、賠償責任や契約の解約・解除条件など、対処すべき論点が多数ある。

複数ステークホルダーとの調整

  • 需要家と発電事業者だけでなく、小売電気事業者や送配電事業者、行政機関が関係するため、それぞれの役割分担や責任を明確にすることが必要である。

金融機関との整合性

  • 金融機関の融資を受けるためには、中途解約など、想定されるリスクへの対応を契約に盛り込む必要がある。

制度改正への追随

  • 発電側賦課金の導入など、契約期間中にも関係制度は変化する。誰が負担し、どう精算するのかを契約上あらかじめ整理しておく必要がある。

標準的な契約が存在しない

  • 専門的な人材が限られる中小企業や自治体にとって、複雑な契約書を一から用意するのは大きな負担となるが、標準的な契約書へのアクセスが困難である。
  • 自治体においても、地方自治法、条例、財務規則などとの整合性を図る必要があるが、こうした特殊性に配慮した標準的な契約書へのアクセスが困難である。

公開するモデル契約書(全6種)

PPA契約には、オンサイト型(電力を消費する場所で発電を行うもの)とオフサイト型(電力を消費する場所とは別の場所で発電を行うもの)があります。オフサイト型の場合、電力小売事業者が関与し3者間での契約関係が発生する点でオンサイト型と大きく異なります。さらに、需要家が自治体である場合は、法令や財務規則に配慮する必要があります。

このため、オンサイト契約3種類、オフサイト契約3種類の計6種類のモデル契約書をご用意しました。民間用のオンサイト契約書・オフサイト契約書には、それぞれ解説文を付けたものも用意しています。

オンサイトPPA契約

オンサイトPPA契約書(民間版)
  • 需要家(民間)の建物・工場・倉庫の屋根などで太陽光発電を行う場合を想定したオンサイト型PPAの契約書。
  • 契約期間、需要家・発電事業者間で定めた最低消費量に満たない場合の違約金支払い、中途解約の条件など、基本的な条項を明記。
  • 需要家の施設内に設置した発電設備で生じる余剰電力の活用について、その取扱いを明確化(第8条第5項・第6項)。
  • 災害時に需要家が発電電力を無償使用できるルールを明確化。
  • 違反時の撤去費用負担や、契約終了時の設備所有権移転条件を明記。
オンサイトPPA契約書(民間版、解説付)
  • 上記1の契約書に、重要条文の解説を挿入したもの。
オンサイトPPAモデル契約書(自治体版)
  • 需要家である自治体が所有する建物(行政財産)の屋根を使用して太陽光発電を行う場合を想定。
  • 契約保証金の免除や行政財産使用許可に関する条項(例)を盛り込み、自治体の特性に配慮。
    例:「●●市財務規則第●●号に基づき、契約保証金納付を免除する」など(ただし、自治体ごとに条例や考え方は異なるため、個別事案ごとの検討は必要)。

オフサイトPPA契約

オフサイトPPAモデル契約書(3者間契約版)
  • 太陽光発電設備が需要先とは別の場所にあるケース(オフサイトPPA)を想定し、需要家と発電事業者のほかに小売電気事業者を契約当事者として、3者間で締結する契約書モデル。
  • 3者間で電力供給・託送・インバランス負担などの責任分担を明確化。例:需給不足時の不足分の調達、余剰電力の処分など。
  • 発電側賦課金に関係する条項を整理(第7条)。 発電側賦課金は「発電事業者」と「小売電気事業者」の二者間で処理されるものであるため、3者契約モデル(需要家・発電事業者・小売電気事業者)の本文には詳細を記載せず、関連条項に必要な整理と説明を加えています。
オフサイトPPA契約書(3者間契約版、解説付)
  • 上記4の契約書に、重要条文の解説を挿入したもの。
オフサイトPPA契約書(3者間契約版、自治体向け)
  • 地方公共団体がオフサイトPPAの需要家となる場合を想定したもの。
  • 行政に特有の条項を盛り込んでいる(ただし、自治体ごとに条例や考え方は異なるため、個別事案ごとの検討は必要)。

モデル契約において配慮した点

リスク管理

  • 中途解約時の違約金や設備撤去、発電設備の所有権移転等に関する条項を明記。例えば、中途解約の場合でも、需要家が発電事業者の損失を超える違約金を支払えば、契約期間中に発電設備の所有権を得ることが可能となる旨の条項など。契約の安全性のほか柔軟性も高めています。

投資回収への配慮

  • 最低消費量についての取り決めや、最低消費量未達時の違約金など、発電事業者の投資回収の確実性にも配慮。これは発電事業者が金融機関から融資を得られる条件にもなります。

環境価値の帰属

  • 発電した電力の環境価値の帰属を明確化。ここでいう環境価値とは、再エネで発電したことによりCO2排出削減ができることを独自の価値としたものであり、再エネ電力の付加価値と言えます。

最新の制度環境への対応

  • 発電側賦課金の負担・精算の考え方、およびオンサイト型における余剰電力の活用を、契約上あらかじめ整理。運用開始後の解釈の食い違いを防ぎます。
今後の展開

さらなる情報公開・サポート強化

契約書雛形のダウンロード提供

  • AiNERGYおよびRESuLTの公式サイトにて、自由に編集が可能なWordファイル形式で無償公開します。

契約書活用ガイド/マニュアルの整備

  • 制度改正等を踏まえ、バージョンアップ版も順次公開の予定です。
  • AiNERGYのサイトでは、ソーラーシェアリングや雪国・自家消費型太陽光のノウハウ、必要書類などの情報も準備が整い次第、順次公開してまいります。

オンライン相談の実施

  • 主に地元金融機関や全国の中小企業、各種団体、自治体関係者、市民グループに向け、PPA事業(契約)に関する法律相談をRESuLTにて実施しています(RESuLT公式サイトより申込み)。

コメント

AiNERGY株式会社

本契約書の作成にあたり、RESuLT所属の弁護士の方々をはじめ、多くの皆さまにご協力いただき、心より感謝申し上げます。私たち地方の中小零細企業が、同じ費用と時間をかけて試行錯誤を繰り返すことは、日本全体の再生可能エネルギー普及にとって大きな障害になりうると考えています。そこで本契約書の雛形を公開し、当社と同じような地方の中小零細企業が、各種形態に応じてPPAを主体的に導入できるよう、少しでもお役に立てればと願っております。

また、自治体版の契約書には地元行政の財務規則との整合性を、より複雑な3者間契約版には金融機関の要求を踏まえた条項や託送に関する条項を盛り込むなど、現場のニーズに寄り添った形で設計しました。発電側賦課金や余剰電力の活用といった、現在の制度環境で必ず論点となる部分についても、あらかじめ整理しています。これをきっかけに、地方の中小零細企業や自治体の皆さまが再エネ導入をより円滑に進めていただければ幸いです。

代表取締役
折笠 哲也

再エネ応援弁護団RESuLT

PPA契約は長期にわたる取引であり、想定されるリスクや関係者は多岐にわたります。

そこでオンサイト型とオフサイト型のPPA契約において典型的に想定される事態に対処する契約書を作成しました。このモデル契約が地域のエネルギー自給と経済活性化に貢献することになれば嬉しく思います。

個別の事案に応じたカスタマイズや弁護士による法的なアドバイスもお引き受けしています。
必要に応じてご相談ください。

弁護士
千葉 恒久

会社概要

AiNERGY株式会社

代表取締役折笠 哲也
所在地〒969-6214
福島県大沼郡会津美里町冨川字古屋敷3
TEL0242-93-9333
事業内容再生可能エネルギーEPC事業(産業用・自家消費型太陽光発電、ソーラーシェアリング、ソーラーカーポート、蓄電池)、発電所の運用管理・保守点検、BCP対策支援 他
URLhttps://ainergy.co.jp/

再エネ応援弁護団RESuLT

代表弁護士千葉 恒久
所在地〒141-0022
東京都品川区東五反田1-13-12
いちご五反田ビル5F 五反田法律事務所
URLhttps://resultsaiene.org/

本件に関するお問い合わせ先

AiNERGY株式会社

TEL0242-93-9333
Emailinfo@ainergy.co.jp

再エネ応援弁護団RESuLT

担当千葉 恒久
TEL03-3447-1361(五反田法律事務所)
担当益田 響
TEL06-6222-3222(江口・浅野法律事務所)
RESuLT公式サイト

PPA契約書雛形ダウンロード申請

注意事項(必ずご確認をお願いいたします)

  • 当社は少人数で自社の事業開発を行っているため、本契約書や事業相談などに関するお問い合わせを受け付けることができません。予めご了承の程、お願いいたします。
  • なお、雛形契約書に関するご質問、ご相談はRESuLT様へ直接お問い合わせください。
  • 本契約書のご利用により生じたいかなる損害についても、当社及びRESuLTでは一切の責任を負いかねます。
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